好きなもの

触ると壊れそうな細い月が好きです。

壊れないようにそっとそっと両手でふれるように

そっとそっと心と目を向ける。

じろじろとした不躾な視線ではなくて、

柔らかく、大切に、優しく目を向けると

その柔らかさと微細な感覚が心に広がって

月と自分の心がひとつになっていく。

この感覚が好きで、細い三日月の夜には

そっとそっと壊れないように想いを馳せます。